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意匠登録とは

意匠法で保護される「意匠」とは、「物品(物品の部分を含む)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」です(意匠法第2条)。特許法や実用新案法が、技術的な面でのアイディアを保護の対象としているのに対し、意匠法では、物品のデザインという美的観点からみた創作を保護の対象としています。

また、著作権法で保護される著作物は世界でただ一つだけ創作される絵画などの美術のほか、文芸、学術、音楽の範囲に属する、思想又は感情の創作的な表現ですが、意匠法で保護される意匠は、工業上利用できる(量産できる)ものでなければなりません。具体的な物品とは離れた、単なる模様、モチーフなどは法にいう意匠ではありません。

著作権のデザインとの違い
著作権法で保護される著作物は世界でただ一つだけ創作される絵画などの美術のほか、文芸、学術、音楽の範囲に属する、思想又は感情の創作的な表現です。
意匠法で保護される意匠は、工業上利用できる(量産できる)ものですので、具体的な物品とは離れた、単なる模様、モチーフなどは法にいう意匠ではありません。

意匠を創作したときに、意匠権という独占的な権利を得たいと考えたら、願書に意匠に係る物品等を記載して、意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面等を添付して、特許庁に出願することが必要。
意匠登録出願は特許庁の審査官により審査され、審査を通ったものだけが登録査定となり、登録料を納付して初めて意匠権が発生します。
審査には、意匠の「新規性」(新しい創作)、「創作非容易性」(容易に創作できないこと)、「先願であること」(同じ出願が前になかったこと)、その他の要件を満たしているかどうかなどが判断されます。

独占排他権
意匠権を取得した際には、その意匠の実施をする権利を占有し、他人が実施するのを排除したり、他人に実施権を許諾したりすることができます。
意匠権の存続期間は、登録日から20年です。

意匠の保護
差止請求権・侵害物排除請求権、予防行為差止請求権、損害賠償請求権、名誉回復措置請求権
意匠の利用
独占的実施、実施許諾、意匠権の譲渡、質権・譲渡担保

意匠登録出願のためのチェックリスト

1 意匠の内容検討
□創作した意匠は新規なものか
□創作した意匠の類似検索はしてみたか
□国内の公知意匠の調査をしたか
□海外の公知意匠の調査をしたか
□カタログ、雑誌、文献、ウェブサイト等の調査はしたか
□その意匠は真似されやすいものか
□その意匠は国内のみで展開するものか
□海外でも展開する可能性があるのではないか

2 物品に関する意匠であること
□物品と認められるものか
□物品を離れた形態のみの創作、たとえば、模様又は色彩のみの創作ではないか
□動産ではない、土地及びその定着物であるいわゆる不動産ではないか
□固体以外のもの、たとえば電気、光、熱などの無体物ではないか
□粉状物及び粒状物の集合しているものではないか
□その物品の一部のみで通常の取引状態において独立の製品として取り引きされないものではないか
□物品そのものが有する特徴・性質から生じる物品自体の形態と認められないものではないか
□販売展示効果を目的とした形態ではないか
□視覚に訴えないもの、全体の形態が肉眼によって認識することができないものではないか
□その一単位が、微細であるために肉眼によってはその形態を認識できない、粉状物または粒状物の一単位ではないか
□視覚を通じて美感を起こさせないものではないか
□美術品のように高尚な美が要求されるものではなくても、実用的・機能的・工業的に美観が施されているか
□機能、作用効果を主目的としたもので、美感をほとんど起こさせないものではないか
□意匠としてまとまりがなく、煩雑な感じを与えるだけで美感をほとんど起こさせないものではないか

3 工業上利用することができるものであること
□工業的方法により量産可能な、同一物を反復して多量に生産し得るものか
□自然物を意匠の主たる要素として使用したもので量産できないものではないか
□土地・建物などの不動産ではないか
□純粋美術の分野に属する著作物ではないか

4 出願方法
□意匠の物品を適切に特定したか
□物品の種類・内容について説明が必要か
□物品について、その部分的な特徴について意匠登録を受けるか(部分意匠)
□物品について、その全体的な特徴について意匠登録を受けるか(全体意匠)
□セットになった複数の物品を、全体として一つの意匠として意匠権を得ることができるものか(組物の意匠)
□出願した意匠をできる限りの期間、秘密にしたいか(秘密意匠)
□関連するデザインのバリエーションについても、意匠登録をしたいか(関連意匠)
□図面によって出願をするか
□写真によって出願をするか
□ひな形、見本によって出願をするか
□意匠に係る物品の形状、模様または色彩がその物品の有する機能に基づいて変化するものか
□物品の材質・大きさ・色彩・省略図面の説明などが必要か
□特徴記載書を提出するか

5 意匠登録の要件・新規性
□新規性のある意匠か
□意匠登録出願前に日本国内または外国において公然知られた意匠ではないか
□意匠登録出願前に日本国内または外国において、頒布された刊行物に記載された意匠ではないか
□意匠登録出願前に日本国内または外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠ではないか
□これらに類似する意匠ではないか
□自己の創作した意匠を自らが公開していないか
□意匠の新規性の喪失の例外の適用を受けることができないか
□意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して公知になった意匠ではないか
□意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して公知になった意匠ではないか
□公知になった日から6か月以内か
□新規性喪失の例外の適用対象であることを証明する書面を提出できるか

6 意匠登録の要件・創作非容易性
□意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(当業者)が、日本国内または外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合に基づいて、容易に意匠の創作をすることができない意匠か
□意匠の構成要素の一部を他の意匠に置き換えただけの置換意匠ではないか
□公然知られた意匠・広く知られた意匠の特定の構成要素を、当業者にとってありふれた手法により置き換えて構成したにすぎない意匠ではないか。
□複数の公然知られた意匠を当業者にとってありふれた手法により寄せ集めたにすぎない意匠ではないか
□公然知られた意匠の全部又は一部の構成比率や、繰り返し連続する構成要素の単位の数を当業者にとってありふれた手法により変更したにすぎない意匠ではないか

7 意匠登録の要件・先願その他
□同一または類似の意匠について、先に出願されている意匠ではないか
□全体意匠の意匠登録出願同士、部分意匠の意匠登録出願同士について、同一または類似の意匠ではないか
□公の秩序を害するおそれがある意匠ではないか
□日本・外国の元首の像・国旗を表した意匠、わが国の皇室の菊花紋章、外国の王室の紋章(類似するものを含む。)等を表した意匠ではないか
□善良の風俗を害するおそれがある意匠ではないか
□健全な心身を有する人の道徳観を不当に刺激し、しゅう恥、嫌悪の念を起こさせる意匠ではないか
□他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある意匠ではないか
□他人の著名な標章やこれとまぎらわしい標章を表した意匠ではないか
□物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠ではないか
□一つの出願に二以上の意匠が含まれていると認められる意匠ではないか
□「意匠に係る物品」の欄の記載を非常に広汎なものとしていないか

出願のための図面について

正投影図法による図面
各図同一縮尺で作成した正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図をもつて一組として記載します。

ただし、下記の左の欄に掲げる場合には、その右の欄に掲げる図を省略することができます。
図面を省略する場合には、その旨を願書の「意匠の説明」の欄に記載します。

正面図と背面図が同一又は対称の場合 背面図
左側面図と右側面図が同一又は対称の場合 一方の側面図
平面図と底面図が同一又は対称の場合 底面図

等角投影図法により作成した図・斜投影図法により作成した図
キャビネット図(幅対高さ対奥行きの比率が1対1対2分の1のもの)
カバリエ図(当該比率が1対1対1のもの)

下記の左の欄に掲げるものを記載する場合には、その右の欄に掲げる図の全部または一部を省略することができます。
この場合には、斜投影図法により作成したときは、キャビネット図またはカバリエ図の別・傾角を各図ごとに願書の「意匠の説明」の欄に記載します。

正面、平面及び右側面を表す図 正面図、平面図又は右側面図
背面、底面及び左側面を表す図 背面図、底面図又は左側面図
正面、左側面及び平面を表す図 正面図、左側面図又は平面図
背面、右側面及び底面を表す図 背面図、右側面図又は底面図
正面、右側面及び底面を表す図 正面図、右側面図又は底面図
背面、左側面及び平面を表す図 背面図、左側面図又は平面図
正面、底面及び左側面を表す図 正面図、底面図又は左側面図
背面、平面及び右側面を表す図 背面図、平面図又は右側面図

写真等による出願・その他の記載

図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を現わした写真、ひな形又は見本を提出することができます。

物品の記載や、願書に添付した図面、写真若しくはひな形によつてはその意匠の属する分野の当業者が物品の材質または大きさを理解することができないときは、その意匠に係る物品の材質又は大きさを願書に記載しなければなりません。

意匠に係る物品の形状、模様または色彩がその物品の有する機能に基づいて変化する場合において、
その変化の前後にわたるその物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその物品の当該機能の説明を願書に記載しなければなりません。

図面、写真又はひな形にその意匠の色彩を付するときは、白色又は黒色のうち一色については、彩色を省略することができます。彩色を省略するときは、その旨を願書に記載しなければなりません。

図面・写真・ひな形の意匠に係る物品の全部又は一部が透明であるときは、その旨を願書に記載しなければなりません。

動くもの、開くもの等の意匠であつて、その動き、開き等の意匠の変化の前後の状態の図面を描かなければその意匠を十分表現することができないものについては、その動き、開き等の意匠の変化の前後の状態が分かるような図面を作成する必要があります。

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